DOORA
---SIDE STORY---
#15.「迅 雷」
作:管理人 校正:雅龍
*
私は今呼吸しているのだろうか。
何をしているのか。
走っている?
跳んでいる?
跳んで、走って、跳んで、また、走っている。
そう、今は走っている。
向かう先に光が見える。それはワーム航法の時に見える、中心の光りに似ていた。私は光の中心にいる。その周囲では全てが一瞬のうちに流れ去り残像となる。その残像には見覚えのある服装をした者達。
苦しい。
息が苦しい。
息が?
違う。
息はいい。
心が苦しいのだ。
心が締め付けられる。
弾けそうだ。
心が。
ニューマンに心があるのか?
人工生命体なのに?
そもそも命があるのか私達に?心があるのか私達に?機械と何が違うのだ?
肉のマシーンではないのか?ヒューマンの欲により生まれた肉のマシーン。欲の捌け口。作られた脳、作られた身体、埋め込まれた心・・・。
私に心があるのか?
あんなことをしておきながら。
でも、じゃあこの苦しさは何なんだ。
この苦しさは。
この締め付ける苦しさは。
光の先に、小柄で柔和な一人の女性が見えた。そしてその顔には見覚えがあった。
「セニョ」
絶叫が、私の大脳を埋め尽くした。
開け放つ扉。
見開かれたのは私の目。
目線の先には、十数名の・・・銀河警察隊。
全員の銃口が私を向いている。
寸分たがわず急所に狙いを定めている。
そこはニューマンの泣き所。ここを撃ち抜けば悲鳴もなく絶命するだろう。湧き上がる衝動とは別に「フラッシュ隊もまだまだ捨てたもんじゃないわね」という言葉が浮んで、すぐに消えた。
そうだ、この装備とあの紋章は銀河警察フラッシュ隊。危険度の高い事件の現場に、真っ先に突入する超攻撃型特務特攻隊。フラッシュ隊員の現場での平均寿命は3分、と公文書データで読んだことがある。
ここは彼らの狩場なのだ。銃殺されても一切文句は言えない。たとえ私がデーモンズゲートの教官であったとしても。
だが彼らは引き金を引かなかった。
本来なら扉を空ける前に絶命しているだろうに。
私が有名人だからか?
それとも引き金を思いとどまらせるものを感じたからか。わからない。
足が一歩前へ出る。
「フラッシュ隊、エリック・エマゾン大佐であります」
進路を阻むように、大佐と名乗る大男が立ちふさがった。
「状況は?」
自分が上官であるかのような振る舞いで言う。
「・・・」
その大佐を見るともなく見ている私。
そもそもここにいるのは私なのか、それとも夢なのか。隊員の銃口はまだ向いてる。
全員が部屋を隠すように立っており、中の様子が伺えない。「いい仕事するじゃないの」そんな言葉が浮んでは消えた。ニューマン固有の思考形態デュアルプロセス。全く異なる感情を同時に進行することが出来る。何故かそのことに腹がたった。
「この部屋の住人は私の友人です」
「存じております」
予期していたような返事だ。
それは強い拒否を意味している。
「状況は?」
「・・・」
奥底で何かが湧き上がりつつある。
隊員達がそれを受けて緊張した。そう感じる。
「雅龍教官お待ち下さい」
「ボーヤ・・・それじゃ死ぬわ」
アゴで大佐の真後ろにいる若い隊員を指す。
コンマ一秒にも満たない、いや更に短く零コンマ零零一秒か、大佐を除く全員の意識がその隊員へ向いた。
「待った!お待ち下さいっ!」
大佐の怒号が響く。
フラッシュ隊全員の緊張がピークに達したのが感じとれる。
再び静まり返った。
大佐が手を横に小さく振ると、全員が銃を下ろす。
「特務機関デーモンズゲートマスターズSS級教官の雅龍です」
敬礼をする。
「アイサー!」
敬礼で返した。
「教官お久しぶりです。勘弁してください。教官に全滅させられたとあってはフラッシュ隊は即日解散ですよ」
初めて笑顔を見せる大佐。額には僅かに汗が滲んでいる。
「この件に関しては後日公式文書にて謝罪させて頂きます」
ニコリともしない彼女。
「いえ。こちらこそご無礼お許し下さい。これも任務ですから」
そう言うと大佐は道を開け、隊員へ手を振った。
同時にその場にいた全員が壁を向き張り付いた。
「・・・」
黙って見つめる雅龍。
私は大佐を軽くハグし耳元でこう囁いた。
「感謝します」そう言ってするりと部屋の奥へ。
それがどれほどの罪かを知っているだけに、胸が痛んだ。
部屋は丸焦げだった。
全ては焼けおち、原型を留めている物は何もない。その時のすさまじさが容易に想像出来る。まさに灼熱地獄であったのだろう。正面を見据えたまま、ゆっくりとゆっくりと確認するかのように踏み入る。
ここにベッドがあった。
ここに食器棚が。
私のお気に入りのティーカップにソーサーがあった。
ここに3人でとった写真が飾ってあった。
二人でよく笑ったし、じゃれあった。
足を止める。
部屋の隅が白い。あれは・・・。
隊長は雅龍の目線の先を追った。
部屋の一番奥、隅っこのところだ。
その部分だけが白く。丁度その形はうずくまった人間らしき姿にも見える。
よく見るとその白い部分に、1枚の写真が飾るように置いてあった。
1歩、2歩と歩み寄る雅龍。
足元に白いシルクのハンカチを敷き、写真の前でひざまずく。
その写真を凝視する雅龍。その身体が硬直した。微かに震えているのが大佐から見える。
部屋には外の風の音だけが満ちている。音もなく震えている雅龍。
その白い影が何か、その写真がなんなのか、この場にいる全員が理解していた。
壁を向き直立不動している隊員達。若い隊員達の多くは、その意味を思い装甲メット内の目が涙で溢れた。自らの家族を思うのか、恋人を思うのか、雅龍の深い失望感を自分のことのように感じていた。フラッシュ隊の命は明日をもしれない。どの現場で誰がいつ命を落としても不思議じゃないのだ。それゆえに彼女の失望感をより理解し共感できた。愛するものを失う悲しみを。
「教官」
大佐はかける言葉を失った。
それを押し留めるように、すっくと立ち上がる雅龍。
大佐に向き直り敬礼した。目から流れ落ちる涙を拭うこともなく。
「ご協力に感謝します」
静かな声だ。
大佐の目線で初めて気づいたのか、両手で目を覆い一瞬で涙を拭う。
そして、改めて敬礼した。
「犯人逮捕に尽力することを、フラッシュエリック隊全員がお約束します」
大佐は力強く言った。娘を思う父のように。
「サー!」
壁に向かったまま全員が敬礼する。
「今度改めて御隊へお邪魔さてせいただきます」
「サーッ!」
「全員静かに」
敬礼のままピクリとも動かない。
「心より、心よりお待ちしております」
「お待ちしております!」
雅龍は静かに部屋を後にした。
数時間後、デモーンズゲートの訓練施設アイ。
試験を通過したばかりの初級訓練生が通い詰める施設。
ここでは、過去の戦闘を再現し、シミュレートする。そして、より実戦に近い環境下での訓練が可能となっていた。
時間外補習が終了したばかりのこの施設に、雅龍教官が強烈なオーラを放ったまま唐突に訪れた。本来ならマスターズランク、しかもSS級の教官が訪れることは皆無と言ってもいいだろう。
彼女は一言挨拶をした。
「ご苦労様です」
すると、モニタールームに行き、手馴れた様子でシミュレータを起動させている。
「教官、お待ち下さい」
今日、この時間、アイの管理をしている者は、名をザンジと言った。
ザンジは雅龍が設定したシミュレーション名をみて顔色を変える。
「そのメニューは・・・許可できません」
彼女は制止するザンジ管理に、ニコリともせずこう言った。
「責任は全て私がとります」
いつになく静かな声だ。
「し、しかし!」
「・・・」
場内アナウンスが流れる。
「コーション、コーション。参加人数が不適切です。設定シミュレーション名は、シェイド戦線。危険度SS。最低参加人数5チーム20名。適切参加人数20チーム120名。推奨参加人数40チーム240名です。設定人数を下回るシュミレーションには、管理官の同意がなければ起動できません」
雅龍は、ザンジを見つめた。
「無茶です!許可できません!」
「ザンジ・・・私はいつだって悪い上官でした」
「お願いです。思い止まって下さい」
数歩歩み寄り、ゆっくりとザンジの左手を握る。彼のゴツイ手は汗ばんでいる。
「ごめんなさい・・・」
導かれるように、シミュレーターに二人が同時に手を置く。
「承認。解除されました。参加者は速やかにシミュレータの内部に入り、設定された武器を持ち、所定のスターティングサークルに立って下さい。設定シミュレーション名は、シェイド戦線。危険度SS。保護シールド最大、関係者以外は待避所に移動するか、レストルーム、モニタールームに移動願います。参加人数1チーム1名。尚、最低条件を満たしていない本シミュレーションによるいかなる被害も、承認した者が処罰の対象となります。死亡による一切の責任も負わないことに同意したこととなりますがよろしいですか」
躊躇なく答えた。
「はい」
「シミュレータが起動します。関係者以外は速やかに退避願います」
シミュレーターが起動し、モニタールームのシャッターが幾重にも下ろされた。
「教官・・・エマージェンシースイッチの決定権を私に・・・」
「構いません」
そう言いながら、その瞳はそのスイッチを押すことを決して許していないことがザンジにもわかった。ただ、持たずにはおれなかった。
「IDが認識されました。シミュレータは3分後にスタートします」
身体が熱い。
脳も熱い。
全てが、心も含め、何もかもが焼けてしまいそうだ。
(白かった。あそこだけが・・・何故?)
脳裏を過る、ついさっき見たあの光景。
部屋の全ては黒かった。
そう、丸焦げだった。
あの高層住宅で、あの部屋の中だけが丸焦げ、丸焼けだった。
丸焼けだ、丸焼けだ。
丸焼け。
丸焼け!
(部屋は灼熱地獄を思わせる程に黒焦げだったのに、あそこだけが白かった)
全てが燃え尽き灰となっていた。本棚の金属フレームすら跡形もない。
なのに、部屋の隅だけが白かった。
そして、その白は、小柄な人型に見えた。
(あれは人だ・・そして、恐らくはセニョ・・・)
青い光が闇を照らす。
(玄関の扉、建物の外壁、部屋を一歩外に出ると何もなかった。別世界だった)
(でも、中は丸焼けだ)
闇の中で銃弾のまたたきが激しく飛び交っている。
(あれはラフォイエ、しかも局地的に、部屋の中だけを焼くように放ったラフォイエ。並大抵の制御力じゃない。しかも、あれは一瞬じゃない。一瞬であれば、三人で撮った写真のフレームは燃え落ちる筈がない。あれはラコニア石で出来ていた)
複数のビーム光がたてつづけに闇をかすめる。
(ラフォイエを部屋の内部に限定し、継続して放ちつづけた。何という精神力。一切の証拠を消すために?それとも他の理由から?)
瓦礫山、四方八方から何かが飛び出した。
あまりの速さに視覚では正確な姿が捉え切れない。
その何かは、ある一点に襲いかかる。
見えないが、気配で感じる。そう、ニューマンの第七感が全身で何かを感じ取っている。
(セニョが逃げられないなんてことがあるの?フォース戦なのに)
(もう一人いた筈だ。そいつが強力な結界を張り、セニョを逃げられない様にした)
(あのセニョを封じ込めた!そう考える方が自然だ。セニョを押し止める程の結界を張り、一方がラフォイエを詠唱し続ける)
激しい轟音と共に地面が炸裂。
空気が斬れる音を感じた。
(だからセニョは、セニョは自らにラバータを放ち、それを氷の結界とした)
(そして脱出方法を模索していたに違いない。チャンスを待っていたに違いない。助けを待っていたに違いない)
(誰の?)
(私の?)
(それとも、彼の・・・ジョニーの?)
炸裂した粉塵の中を、獲物に群がるドブネズミのように一斉に銃弾が注がれる。
(セニョは、逃げられないまま詠唱し続けた。自らの肉体を蝕みながら。時を待った。何かを待った)
漆黒の闇と、闇に舞う粉塵の中、青い閃光が大きく、激しく尾をひいた。
(攻撃も出来ず、さりとて逃げることも出来ず・・・)
一際大きな青光が瞬いた。
一斉に!
悲鳴!
悲鳴!
悲鳴!
絶叫!
(自らの放った氷解にその身が凍え・・・)
そこへ、二つ三つと閃光が舞い踊る。それはまるで何かの生き物であるかのよう。
彼女の、雅龍の脳裏では、セニョリータが微笑みをたたえている。
紅蓮の炎の中で、薄れゆく意識のなかで、あの写真をただ見つめ。
微笑を。
(そして、セニョは、意識が途絶えると同時に・・・同時に)
(一瞬で燃え尽きた!!)
棍が唸った。
そして、閃光が、青い閃光が瞬き、形容しがたい不思議な声を上げる。
それは、きっと龍の声、青い龍。
「おぉぉぉぉぉぉぉっ!」
(あの写真を、ただ残して)
「おーーーーっ!」
「光った!また光ったぞ!」
「あれが迅雷だ!戦場の青きイカズチ・・・本当なんだ・・・本当に、嘘みたいだ」
流星棍が最大限にその能力を発揮する時、打撃時に青い光を発する。その打撃が流れるように軌跡を描く時、これを迅雷という。武器教則本にはそう書かれていた。言葉で読むのは簡単だが、訓練生にとって、いやデーモンズゲートの正規メンバーにとってさえも、それは奇蹟にも近い諸行にいえた。
そう、本には彼女の名も書かれている。シェイド戦線の英雄、迅雷を呼ぶ戦士。迅雷の雅龍隊長。
「五年前のシェイド戦線の再現だよ。本当に、本当に一人で、信じられねー。あんな戦いありえねーよ!」
モニタールームにいた全員が釘付けとなっていた。
ショックの為か、モニターを見たまま、瞬きもせず口をポカンと空けているだけの者も数人いる。それ以外の者達は、歓声と静寂を壊れた玩具のように繰り返していた。
デーモンズゲートの練習生である。
「だったら、なんなんだよこれは。現に一人で・・・」
「分断された前線を!たった一人で守りぬいた伝説のシェイド戦線だよな。救出された時、教官はたったまま気絶していたって話だぞ。いいのかよこのまま続けてて」
「ああ知ってる!眼を見開いたまま仁王立ちになっていた。スペースパーフェクトTVで見たよ。あれ、全巻買ったよ」
「バーカ違うだろ。あれはドラマだよ。だって実際には、あの前線に向かったのはジョニー隊長のチームだけだし、最終的に奴らを撤退まで追い込んだのは隊長達なんだって聞いたぞ」
「シーッ、その名前を口にするなって」
「どっちもあってる・・・」
その中で唯一、重苦しい空気を漂わせていた男がそう言った。
「ザンジ管理!ほんとですか」
「確か・・・管理はあの場に・・・」
「ああ。俺はあそこいた。そして見た。雅龍隊長は囲まれた前線をたった一人で凌いでいた」
歓声が湧き上がる。
一瞬、そのザンジと言う男を見るが、目はすぐにモニターに戻された。
ここにいる全員が、目はモニターへ、耳はザンジ管理の声に集中している。
ザンジは、モニターを瞬きもせず見ていた。そして、独り言のように話し始める。
「右足を失った俺や、辛うじて生き残っている連中を中央に集め、たった一人で360度全方位から襲って来たシノビー達と戦っていたよ。地獄だった。恐ろしかった。恐ろしくて目が閉じることが出来なかった。いや、正確には、生きているのか、死んでいるのか、興奮か、恐怖か、それすらもわからない状態だった。でも、どこか奥底で何かは失わなかった。だって、俺たちには女神がいたから。女神は泣いていた。泣きながら戦っていたよ。だって不可能だ。全方位の敵を相手にするなんて。しかも、あのシノビーを相手に」
全員が、呼吸すら忘れているかのように静かになっている。
「仲間は確実に一人、また一人と減っていった。しばらくすると、しばらくといっても正気じゃない。1分なのか2分なのか、1日なのか、2日なのかわからない。ただ、迅雷が止んだとき、ジョニー隊長が女神の前にいた。ジョニーさんは笑っていたよ。あの地獄を見て笑顔だった・・・。それを見た時だ、俺は助かった!いや、女神は助かった!と思ったよ。自分たちはとうに死んだも同然だから構わない。ただ、女神だけは、女神だけはなんとかしたかった・・・。だから、あの場で絶命した仲間は全員が眼を開いていた。女神を、女神だけを見て」
「管理、お言葉ですが、データが本当なら、1000対1の勢力差だったと思いますが。当時の本隊やジョニー隊では、それは不可能な話ですよ」
「だよな〜、ありえないよ。だがな・・・時として、在り得ないことが起こるんだよ」
「そんな!管理はその時、異常精神状態だったから正確に判断出来ていなかったのでは?絶対、上空から援護があったはずですよ!だって・・・」
「黙ってろ!それより管理、なんで助かるって、思ったんですか?」
「ジョニーさん、笑っていたからな・・・」
「え?」
「言ったろ。笑っていたんだよ。ジョニーさんが笑っている戦場で負けは無いって聞いていたから・・・」
「ほら皆聞いただろ!だから絶対、あの隊長が俺たちを裏切るなんて」
「え!たったそれだけなんすか・・・」
「たった?はは、これほど確実なことはない。お前も前線に行けばわかる。どんなにデータや分析班の精度が上がってもな。究極的に言えば、前線では糞みたいなもんだ。なんの役にもたたん」
「え!ええ!?」
「現に勝った」
「だから、それは上空から援護が!」
「飛べないんだよ、あの上空ではな。だから、だからあんな凄惨な戦闘になったんだ。教本の読み込みが甘いぞ!」
「し、しかし、1千対1なんて、そんな、不可能だ・・・」
「そ、それから!?」
「・・・後は覚えていない。気づいたら医療塔にいたからな」
そう言うと、クククっと笑った。
「まず最初に俺が何を聞いたと思う。『女神は?、女神は!』って医療ポッドの中から怒鳴ったんだそうだ。普通、いきなり女神はって聞かれたらビックリするだろ。頭おかしくなったと思うよな。それがさあ、『無事ですよ』ってすぐ返事が返ってきた。なんてこたーない。生き残った連中は同じようなリアクションだったんだとさ」
「まさか・・・、あの管理官、管理官と同じ40期の、あの部隊にいらっしゃったほとんどが結婚されてないって理由って・・・」
生徒達がざわつく。
「ああ、女神に誓ったんだよ、心の中でな。他は知らん、俺の話だ。ああいった方というのは間違いなく波瀾にとんだ人生を歩む。その時、足の逝かれた俺でも、芥子粒ほどの役に立てばと思ってな。まー役にたたねーと思うが。俺は、あの方に生かしてもらっているんだよ。最後の瞬間までもな」
「嘘だろ・・・マジかよ」
青い龍が、閃光が唸った。
|