ZYUGE

---SIDE STORY---

#1.ZYUGE

T

○本来、ニューマンは男女共に美しく長身で完璧な肉体をもつ。そして、頭脳は明晰であらゆる身体能力においてHUMANを遥かに凌駕していた。しかし、実際にはその美貌だけがとかく注目され、その為ニューマン売買業者は、違法に鑑賞や性的玩具として育成することが後をたたなかった。生まれながらにして道具として使われ短い一生を終える。これを悲劇と言わずしてなんと言おうか。ニューマン法が後に制定され、違法にニューマンを売買目的に育成する業者は禁止されたが、それでも悲劇は後をたたない。その容姿・能力から、HUMANからの嫉妬も根深かく執拗に狙われた。ニューマン法で10歳を超えたニューマンはいかなる理由に問わず巣立つことが出来たが、多くのニューマンは行き場がなくその容姿を活かさざる終えなかった。もっと悲惨なのはそうした容姿もないニューマンだった。何事にも完璧なことというのはなく、このニューマンにおいても例外ではなかった。中には数が少ないが背が低かったり、ニューマンとしては容姿や能力の劣っている場合もあった。ZYUGEもその一人。生まれながらにして背が低く、幼児体系。頭脳はとりわけ明晰で身体能力もズバ抜けていたが、当時は容姿の劣るニューマンはその時点で存在価値すら許されていなかった。ZYUGEを育成した業者は夜の世界へ送り出すニューマン業者であった為、本来なら廃棄ものの彼女を、その類まれなる美しい顔立ちと幼児体系から、悪趣味な趣向をもつHUMAN官僚相手に送り出す。そこで、10年間玩具のように扱われる。

 10歳になり、ZYUNGEは自立することとなる。人格の欠片も認められず育ったZYUGEが自立する頃には、精神は歪みきりHUMANへの恨みから、HUMAN殲滅へ向け放浪の傭兵となる。その小柄な体格へのコンプレックスからか、それを振り払うがごとく身の丈2倍以上の大剣を軽々と振り回し相手をなぎ払う。シブキの舞う戦場を「らりほ〜♪」と軽快なステップで動き回る様は、戦士らを恐怖させるには十分なことだった。幾たびかの戦場で辺境惑星BURNの鬼姫と出会い彼女の第2の人生が始まる。BURNと同行するようになってから小剣をも使うようになる。彼女の精神的安息感の表れだろう。しかし、それを指摘してはいけない。逆上した彼女を相手に出来る戦士はいない。彼女を止めることが出来るのは唯一ZYUGEの心のよりどころBURNだけなのである。

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